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死をテーマに
色鮮やかに
紡ぎ出される物語

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死は、齊藤木 一紗の永遠のテーマである。

齊藤木 一紗の第2作目は、死をテーマに描いている。
前作の『幻償』でも死者が多数いたが、死をテーマにした作品ではなかった。
今作は死が近づいているものを主人公とし、語り手とともに読者が彼らの最期を見届ける構造で、
齊藤木自身も、彼らを見守っているかのように物語を優しく綴る。

『生の色彩』は死神と死者の交流を色鮮やかに描く連作で、今回はその第1巻である。
ここで語られる「死神」とはどういう存在なのだろうか。

死は厳格である。
死のないものに生はなく、生なきものには死もまた、ない。
この星ですら、いつかは死ぬ。
死神は、最も公平な存在なのだ。『生の色彩 第一話 秩序』p.20

今作のキャッチコピーとして引用されているこの文が、作品全体を象徴している。
生と死は密接につながっている。それがこの世の真理であり秩序である。

だからこそ、死は優しいものでなければならない。
語り手はそのことを強く意識している。